療育コラム

児童発達支援とは

2022年12月23日


【児童発達支援とは】
児童発達支援とは、障害のある未就学児童が療育や生活の自立のために受けることができる福祉サービスです。

日常生活の自立のための 療育や、学習支援、運動プログラムなど、個々のニーズに応じたさまざまなサービスを提供しています。

児童発達支援は 児童福祉法に位置づけられた通所型の福祉サービスで、 療育手帳や 障害者手帳がなくても、専門家の意見書や医師の診断書などを提出し、必要性が認められれば通うことができます。

市区町村から交付される 受給者証を取得することで通所の申し込みができ、1割負担でサービスを受けることが可能です。


【児童発達支援の種類】
児童福祉法で定められている児童発達支援は、児童発達支援センターと児童発達支援事業の2つにわかれます。

どちらも障害のあるお子さんや家族に対する支援を行うという点では同じですが、児童発達支援センターが地域の中核的な療育支援施設としての立場を担うのに対して、児童発達支援事業はお子さんや家族に対する身近な療育の場としての役割を担っています。

【児童発達支援センター】
各地域における児童発達支援の中核的な役割を担っています。施設に通うお子さんの通所支援のほか、地域にお住まいの障害のあるお子さんや家族への支援、保育園・幼稚園などの障害のあるお子さんを預かる機関との連携・相談・支援も行います。


【一日の流れ】
児童発達支援の一日の流れは、支援の内容や利用者の意向、施設の運営状況によってさまざまです。

一日の中で様々な時間割があり、利用者のスケジュールにあわせて組み合わせて利用できます。集団療育と個別療育の日が分かれている場合や、幼稚園・保育園などの降園後に通うことのできる施設もあります。


【支援内容】
<受けられる支援>
児童発達支援で受けられる支援プログラムは多岐に渡ります。
プログラムの受講方法も、集団で受けるか個別で受けるか、親子一緒に受けるかお子さんだけで受けるかといった種類があります。
また、通い方についても、保育園や幼稚園の代わりとして毎日通う場合から、習い事のように週に何回か通い療育を受ける場合まで、お子さんの状況や施設のタイプによってさまざまです。
支援スタッフの方と相談しながら、お子さんの特性や施設の特徴にあわせてカリキュラムを組むとよいでしょう。

すべての児童発達支援に当てはまるわけではありませんが、以下のような支援が行われています。

★発語を促す訓練★
言葉の遅れ(言語発達遅滞)があるお子さんに対して、声かけなどで発語をうながし、語彙を増やす訓練を行います。言語聴覚士による構音指導などが行われることもあります。

★見る力を養うビジョントレーニング★
ビジョントレーニングとは、ものを目で捉える力や、目で見たものを脳で処理し体を使って動かす機能を高めるトレーニングです。黒板を写すのが遅い、文章内の同じ行を何度も読んでしまう、体のバランスが悪いといった問題の軽減を目的としています。

★社会性・コミュニケーションスキルの向上★
ソーシャルスキルトレーニング(SST)や自由遊びなどを通して、友達や周りの人と上手にコミュニケーションをとる方法を学びます。グループで行われる場合が多いプログラムです。

★日常動作のトレーニング★
食事・トイレ・着替えなどの基本的な生活習慣の練習・トレーニングをします。折り紙や工作などを通して手先をうまく使えるようにすることもあります。

★就学準備プログラム★
時計を読む練習、絵本を読む、絵を描くなど、就学・就園に向けた学習などを行っている施設もあります。

★運動プログラム★
遊びながら楽しく身体を動かすことで、運動機能の発達をうながします。

★家族への支援★
親御さんにとって、児童発達支援はお子さんの育ちや子育てについて気軽に専門家と相談できる場所でもあります。また、発達支援事業所にお子さんを預けている間、家族が一時的に休んだり、リフレッシュできる機会を提供する(レスパイトケア)という役割もあります。

★地域支援★
地域の保育園や幼稚園といった障害児を預かる施設の訪問などを行い、連携をとってくれる施設もあります。また通所していないお子さんについての相談を受ける相談支援も行っています。

★その他の支援★
送迎、給食やおやつなどのサービスを提供することもあります。その他に、知能検査や発達検査などを行ってくれる施設もあります。

児童発達支援利用ガイドより引用

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